Origin|History
History
土地の記憶
Layers of Time時間の層
この酒の味わいには、
理由があります。
ここには、
実在する土地があり、
蔵という場があり、
人の営みとともに、
重なってきた時間があります。
藤井酒造の酒は、
竹原という風土と、
蔵と、
人と、
重なった時間の中に
置かれています。
The Place竹原という土地
瀬戸内海と山が寄り添う、
穏やかな町、
竹原。
花崗岩の層を通って湧き出る地下水は、
きめ細かく、
やわらかい。
発酵を急がせることなく、
静かに、
時間を進めていきます。
潮を含んだ風が
蔵を抜け、
冬には瀬戸内の冷気が、
梁を冷やす。
極端さのない気候。
その積み重ねが、
酒の表情を
かたちづくっています。
1907原点の記憶
1907年(明治40年)。
第一回 全国清酒品評会において、
藤井酒造の酒は、
日本一の評価を受けました。
それは、
現代の工業的な酒造りが広がる前、
酒がそれぞれの土地と時間から
はぐくまれていた
時代のことです。
その中で
選ばれたという事実。
これを、
技術の優位としてではなく、
人と自然がともに育ててきた
蔵という場の成熟が、
ひとつのかたちとして
現れた結果だと
受け止めています。
過去の記録としてではなく、
立ち返るための、
基準点として。
The Blank空白の時間
戦後、
日本酒を取り巻く環境は、
大きく変わりました。
効率と安定が求められ、
蔵の環境に棲みつく微生物とともにある酒造りは、
次第に姿を消していきます。
一度、
途切れた時間。
それでも、
蔵という場は、
ここに在り続けていました。
梁は呼吸を続け、
土壁は湿度を吸い、
酵母や乳酸菌たちは、
木の隙間や
空気の中で、
世代を超えて、
生き続けていました。
Continuity再び、つながる
もし、
あの火が
絶えなかったなら。
その問いから、
あらためて
歩みが始まります。
過去をなぞるのではなく、
当時の精神に
耳を澄まし、
現代の知見とともに、
向き合うこと。
目指しているのは、
再現ではなく、
あの時代から続き、
更新されていく
酒造りです。
1907年は、
終着点ではありません。
その先へと、
時間は
流れています。
Aftertaste余韻
酒は、
どのように
はぐくまれるのか。
土地と時間が重なり、
蔵という場の中で、
どのように
姿を得るのか。
その問いは、
今も、
蔵の中に
あります。


